LOG置き場!
□1回につき400円
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「なンでこォなった」
ライトに照らされ、ヤケに眩しい空間に最大級の顰めっ面で一方通行は、突っ立つ
一方通行の疑問の声も全く届いていない
今すぐにでもこの場から立ち去りたいのだが、どうもそれが出来ない状態にあった
「やっぱ時代は美白っしょ?コレで良いんじゃないの」
「次はフレームを決めるのね!まずは普通にピンクから攻めよ〜」
「ようやくミサカ達の出番だねってミサカはミサカはアホ毛のチェックをしてみたり」
一方通行の前で真ん中の画面に集まる、番外個体にトモと打ち止め
三人の視線は画面にあるものの、それぞれの右手は一方通行の服を掴んでいる
右手が番外個体、左手が打ち止め、トモは真ん中のお腹辺りの袖を掴む
そんな訳で逃げ出したくても逃げ出せない状況と言う訳だった
「ドキドキしてきたッ!なんたって初めてなんだからー」
「ミサカも初めてなんだからってミサカはミサカは胸を高鳴らせてみたり」
「ミサカも初めてに決まってんだけどさ〜何のドキドキも高鳴りもないし」
勝手に盛り上がっている中で、時間は止まらないもので、ポ〜ズを決めてね〜等と軽い口調の機械音が流れてくる
そんな訳で、買い物帰りの四人は初めてのプリント倶楽部、略してプリクラに挑戦中
経緯なんて簡単なものだ。
トモと打ち止めがアレをやりたい!と騒げば、番外個体も面倒臭そうにしながらも初めてなので興味を示し、ブツブツ言いながら二人に着いて行く
本気でお断りな一方通行は、盛り上がる三人に連行されるだけ
「撮れた撮れた〜!ってミサカはミサカは…むむ!?誰かさんが顔を背けてるんだけど」
「おぉー綺麗に撮れたね〜ってあらホント!ちょっとレータ〜?」
「クソッ、ちょっとミサカの顔が引きつってるし…まあ素直に親御さんが写らないのは分かりきってる事でしょ」
コッチを向けと促す三本の手
まあそれも、番外個体が言うように一方通行が素直に振り返る訳もないので、
「分かってンなら離せ」
と、振り向いた瞬間にパシャリ。
「あぁー!レータに気を取られて私達が背中向けちゃったじゃないのさ」
「まさかのアナタのソロってミサカはミサカは惜しいこのタイミングにあからさまに落胆してみる」
「こんなこともあろうかとミサカはバッチリカメラ目線って訳よ」
「なっンでこの俺がそこらのバカ共がやるよォなモンに混ざってンですかァ?」
機会は待ってはくれない
ワーワーと喚き声、ガヤガヤと狭い個室で暴れまわる
「おぉッ!前に出過ぎて私とミサカが綺麗に写ったのさッ!でも番ちゃん切れてるし、レータなんて存在していません」
「素敵なツーショットかもってミサカはミサカは二人も良いけどみんな一緒が良いって駄々をこねてみたり」
何とかして四人揃って一枚を取るのに必死なトモと打ち止め。
「にっこり笑ってピースだァ?オマエ等俺がやるよォな質に見えンのかよ。勝手に宜しくやってろ」
嫌でも絶対に写りたくない一方通行。
「このミサカは可愛く撮れたにゃーん!チビ三人、ちゃーんとミサカを引き立てろよぉ」
「一緒にチビで括ってンじゃねェ!」
プリクラを存分に楽しむ番外個体。
連写される写真はどれもまともな物は一つもない
前に押し出され画面いっぱいにトモの顔が張り付いたのやら、一方通行を前に向かせようと頑張る姿やら、打ち止めが暴れ過ぎて転ける瞬間、番外個体だけが綺麗にポーズをとった一枚、一方通行にチョップで怒られる様やら…
日常風景そのままの様子が撮られたものばかりだった
「この短時間ですごく疲れたかもってミサカはミサカは最後の一枚に気合いを入れてえいやー!」
「最後は何としてでもみんなで綺麗にー!ってことで一方通行取り押さえの刑さッ」
「白いの一匹捕獲〜最後くらい大人しくしろ」
泣いても笑ってもラストショット
そんな訳で一方通行を何とか写す為に三人は共闘作戦に出た
両サイドは打ち止めと番外個体がしっかりと一方通行の腕を組み取り押さえる
「暑苦しいィ!密集すンな、つーかトモ、全体重で乗っかってンじゃねェ」
「もう〜レータは相変わらずの照れ屋サンめッ!」
「チョーカーオンにすンぞテメェ…」
トモは後ろからがっちりと抱き付く
一方通行の逃げ場はなくなった
最後の一枚
笑顔のアホ面三人と、目のやり場に困った仏頂面の一方通行が綺麗に収まった一枚に仕上がった
料金一回分を撮り終えた機内では、もう一回やろ〜との声でまた暴れ出すのだった
1回につき400円
(もォやンねェ、二度とやらねェ、ありえねェ)
(ハーレムポジで実は嬉しいんでしょ親御さん)
(大丈夫!二度目は今からするからありえるのさッ)
(拒否権はないかもってミサカはミサカは演算剥奪の準備に取り掛かってみる)
(オイ、コ、ら……)ピクピク