監獄

□アンサー、チェック
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例えば、夜中目が覚めた時、
目の前に受入れ難い光景が広がっていれば、それを夢だと思いのは当然だろう。

「…ショケイスキー?」
「ん…、あれ、カンシュクン?」
「なんで俺の部屋に?」
「…その、夜這いしに」
「ハァ?」
「来ようと思ったけど、結局眠くてやめたノ!でも僕なぜかここにいるの」
「なんだよそれ、じゃあこれは夢か何かか」
「…夢…なのカナ?」
「じゃあ、覚めるまでは一緒に居られるな」
「うん!ボク、カンシュクンに合いたかったから、夢でも嬉しい!」
「あぁ、夢でも恋人に合えるなんてな。明日は良い事ありそうだ」
「ねぇねぇ、本当に夢ならサ、ナニしても良いよネ?」
「…良いんじゃね?」
「じゃあボク、カンシュクンにフェラしてあげたい」
「な…っ、」
「良いでしょ?」
「いやいや、黴菌とか心配だし」
「でも、今なら夢だよネ?」
「…朝起きた時とか考えると、ヤる気になれないっていうか」
「夢射しちゃうから?朝勃ちしちゃうから?」
「興奮して仕事に集中できなくなるから。」
「…ダメ?」
「むしろ夢じゃなかったらシたんだけどな」
「え…」
「初めてが夢じゃ、ガッカリだろ?この夢を覚えてるかも分かんないけどさ」
「…明日」
「はぁ?」
「ボクが、夢、覚えてたら…明日こそ夜這いしに来るカラ…」
「ああ、分かった、俺が夢を覚えてたら、ショケイスキーの所行くよ」
「約束、だヨ…?」
「うん、約束だ」
「じゃあ…オヤスミナサイ」
「おやすみ、ショケイスキー…」



――そして翌日。

「あ、カンシュクン!オハヨーゴザイマス」
「ういす、ショケイスキー」
「…ネェ、ボク昨晩何かシたっけ?」
「あ?昨晩…は、何かあった気がするけど…」
「とっても大事なコト、忘れちゃった気がするヨ」
「っ駄目だ。全っ然思い出せねぇ」
「でもね、なんでかな…無性に、シたくて、シたくて、仕方ないんだ…」
「奇遇だな。俺もなんかムラムラしちゃってよ」
「今日の夜…そっち行ってイイ?」
「分かった、鍵開けとくよ」


「…貴方達、仲睦まじいのは結構ですが、仕事中ですよ」
「ぜ…っ、ゼニロフ先輩…」
「ピンハネクンだぁ、オハヨーゴザイマス」
「全く…イチャつくなら余所でおやりなさい。破廉恥です」
「あ、すみません…」
「ゴメンナサーイ…」
「以後気を付けてください。では失礼」

カンシュコフは緑の兎が立ち去ると、漸く溜め息を吐いてショケイスキーに向き直る。

(…昨晩の夢の話したら、どんな顔すんだろうな)

「なぁ、ショケイスキー」
「ン?」
「昨晩のことなんだけどさ、」
「ボクも今思い出してたトコ!」
「それで、その内容は…」
「キミと性交の約束をしたコト…、だよネ」
「多分、そのはずだけど…」

「「なんで急に思い出したんだろう?」」





『アンサー、チェック』

(破廉恥で思い出したんだ)
(きっとボクも同じ)







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