駄文入れ場

□Grief Moon
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「キラ」


そう聞こえたような気がして思わず振り向いた。

そこには誰もいないということが分かっていながら振り向いてしまった。

意味のないことはしなくていい。そう言った育て親の言葉を守り、行動してきたのに皮肉にもこんな形で破った自分に少し笑う。

自分の名をかつて呼んだものは……今、後ろに続く路地の奥で紅い花を撒き散らしながら横たわっている。

無駄な事をまた少しした。彼のことを思い出す。

笑っていた彼。
自分の苦しいことを打ち明けたら、泣いて怒ってくれた彼。
彼の事を好きだと思った自分。

そして、自分の事を好きだと言って抱き締めてくれた彼。

何かが胸の奥で膨らんでいるみたいに苦しい。

あまりの苦しさにあえぐ。

息が出来ない。

胸の辺りを強く掴んでみる。

苦しさは全然消えなかった。

「……ァス…ラン……」

いつの間にか口がそう動いていた。

「ァスっ……ァスラン、アスランアスランっ!!」

一度口にしてしまうと止まらなかった。

あえぎながら彼の名前を口にするだび、胸の奥の苦しさは全身に広がるみたいに僕を包んだ。

頬に暖かい水が伝った。

それが彼の指みたいに暖かくて、冷たくて。

僕は漸く、これが悲しいということだと気付いた。

どうしたら良いのか分からなくて……暫くの間、このままでいた。



◇◆◇

山無し、意味無し、落ち無しι
極めつけに意味分からん。

一応、脳内設定ではキラが殺し屋で、ある企業に買われています。育ての親っていうのは……一応クルーゼさん?かな〜?
 

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