駄文入れ場

□片言隻語
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ある教会の地下深く、暗い監獄を思わせる様な檻達が並んでいた。

ここは教会に背いたもの達が死ぬまで囚われる牢獄。生きて出れることは無いと言われている死の牢獄。

しかし、そんな風に言われていたのはかれこれ数十年前のことで……
今となっては、忘れられた死刑囚達の亡骸とともに時の流れに身をまかせていた。

「ここはどこ?」

そんな牢獄の奥深く。オレは一つの亡骸と一人の天使を見た。

「君は誰なの?」

恐らくもう何十年と日の光に当たっていないだろうその肌は驚く程に白く、綺麗で……彼の姿だけ暗闇の中、浮かんでいるみたいだった。
その人は見えないのか眼をすがめつつ、オレに笑い掛けてくれていた。

「おれは、シンっていいます」

オレが喋ったのが余程嬉しかったのか瞳をめいっぱい広げてオレをみている。

「そっかぁ、シン君かぁ………。ボクはね!!」

嬉しそうに白い体をこちらへのりださせる。彼の瞳におれの姿が映っていた。

「ぼくはね………名前、忘れちゃった」

悲しそうに藤色の瞳が長い睫毛の下に隠れる。
名前がそこまで大切なものなんだろうか?商品を見分けるための表示番号みたいなものだろう……?

「でもね、彼が付けてくれた名前なんだよ///」

何がでもねなのか分からなかったけど、その人は嬉しそうにそう言って、もう既に白骨と皮になった人達の一人をさす。

そこにあったものが天使の言う彼だと言うのだろうか……?

「あの人は、『サヨナラ。』っていって、どこかに行っちゃった」

もしそこにある物がこの人の言う者ならば、いったい何十年、ここにこの人はいたんだろう?

「ぼく、それからずっと、大好きなあの人がもう一度むかえにきてくれるのを待ってるんだ」

たった一人で……

「ねぇ、ぼくの大切なあの人は、どこ?」

死ぬことが出来ない故に、この別れの意味も知らず……

「ずっとずっと、待ってるのに……」

あまねく神の光が届かないこの場所で、
……
……
まだ、独りで待ち続けるのだろう。



……………………
ある本の一部を読んで、アスキラな妄想が広がったため、勢いで書いてしまいました(苦笑)
失礼しました(^_^;)
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