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□遠い存在─麗編─
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この男色専門の遊郭で働き、男に抱かれた。
あの時は、怖くて怖くて…
周りも何も、見る余裕なんてなく、ただ必死に相手の男を受け入れていた。







「麗…君は、ここから逃げ出したいと思わないのか?」

そう言って私の手を握る。
優しい男。

「…思わない…と言ったら、嘘になります…」

そう、逃げられるものなら、逃げ出したい。
自由に空を仰ぎたい。

「僕は、君を連れ出して逃げようと思ってしまったよ…」

「八王子様‥」

貴方の優しさが、この世界では暖かい光のようで。

私は、貴方に出会った日‥




八王子朔夜、貴方を好きになりました。





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