華蓮学園高等部

□02.認められるか!
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最近、悩みが増えた。
現代社会において、悩みが一つもないことは寂しいと思うが、やっぱり悩みが増えることは嬉しくはない。

読者を邪魔されることは、萩原のおかげで日常茶飯事となっている。
慣れてしまった自分が怖いというか、なんというか…。


俺は、そんなことに悩んでいるんじゃない。もっと、嫌なことに悩んでいる。





「要クンじゃないですか。お久しぶりですね?と言っても……、一時間前にお会いしましたね」


にっこりと微笑む、憎たらしく思えるほどの綺麗に整った顔。
一時間前にお会いしましたね。

そう、俺は目の前にいる男について悩んでいるんだ。


「要クン?……俺に興味あるの?」

「はぁ?!」

「そうか、そうか。興味あるのか、俺に。そうか、そうか」

「四条に興味なんてないっ!!バカか!!」

「…泣いちゃうぞ」

「泣け」

「要クンは、サディストなんですね」

「黙れ」


一時間前も同じような中身のない会話をした。
華組と艶組が一緒の場所にいるのが珍しいが、学園内にて2つの組が一緒になる場所がある。
体育館・購買・職員室の3つ。
俺は職員室に何回も何回も呼び出されて、そして必ず四条も呼び出されている。

…正直、嬉しくない。


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