華蓮学園高等部

□03.教師のイメージ
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俺が入学した時から、ずっとそうだった。二つに分裂した学園。
最初だけ、最初だけ違和感があったのだが、今はそれが普通になっている。

慣れは恐ろしいのだが、やっぱり慣れないものがある。

「サクラはどんな先生が好き?」

「守封、桜坂はやっぱり真壁でしょ?」


萩原は俺に何たる質問をぶつけてきてんだ。どうかしてるぞ、お前。


「あのな、俺がなぜ先生を好きにならないといけないんだよ」


俺が答えると、萩原は何か楽しくない顔をしたが、俺は間違ってないはずだ。


「ハギーは副担任のたっちーでしょ?」

「立川?あの人は結婚してんじゃんか」

「でもでも、タイプでしょ?」

「まあ、それなりにタイプだけど」


そう、この学園の教師は美形揃い。
理事長の趣味なのかは分からないが、どの教師も綺麗な顔立ちばかりで目の保養どころか飽きてくる。

年寄りの先生……ダンディーな先生なんて、校長と教頭ぐらいで、後はみんな若い。
平川先生は40前後、3-H副担任の立川先生は30半ば辺りだろう。


「桜坂の好みの先生が分からないよな」

「サクラは分かんないよ」

守封は机に頬をつきながら、俺を見て言った。
なんだか俺が空気読めてない奴になっているのは、なぜだ?

「……俺を巻き込むな」

「やっぱり華組で人気ある先生っていたら、愛野先生じゃね?」

「ハギーの好みでしょ、それ」

「愛野先生は奥さんもお子さんもいらっしゃるだろうが」

「サクラ詳しいー」

「いや、普通だ」

「待て待て、愛野先生は妻子有りってところに禁断の香りが漂って、ドキドキさせんだよ!」

「興奮するな、落ち着け、萩原」


そう、ここの教師は異様に人を虜にさせるほど何かを持ち合わせている。

だから華連学園には、世にも珍しい教師ファンクラブが存在する。
生徒や生徒の両親、来賓などから評判がかなり良い。

それが、たまに厄介なのだ。



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