華蓮学園高等部

□03.教師のイメージ
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「やっぱり僕は抱かれたーい」

「そういう発言は下品だからやめろ」

守封に注意をしたら、舌打ちをして俺を睨んできた。

抱かれたいだなんて、男のセリフじゃないだろう。
と考えたが、ここは男子しかいない学校だったことに多少の後悔を感じる。

「佐倉先生あたり、結構かわいいと思うんだよね」

萩原はどんな発言だ。
佐倉先生は普通に男性だから、『かわいい』というよりか『かっこいい』が適切じゃないのか?

「ハギーは違うこと考えたでしょ」

「違うこと? お前は何を考えたんだ」

「何も考えてないよ、ひどいな」

「しかし、違うことを考えてたって、何を考えたんだろうか」

俺の呟きに、萩原も守封も黙った。

「え……、桜坂は考えない?」

「あ?何を考えたらいいんだよ」

「その、ほら、先生とか生徒とか、抱く抱かれるとか……考え」

「ない」

「サクラ厳しいねー」

「守封、厳しいとかじゃない。萩原、お前はなんで抱く抱かれるを男子校で考えるんだよ」

「いや、男子校だし?」

それは答えなのだろうか。

共学なら、それは有り得なくて得体の知れぬ未知なるものだと思うだろう。
むしろ、誰もそれに気づかずにいる。

男子校だし?
って言われたが、全国の男子校すべてが完璧なるホモの方々ばかりじゃないだろう。

「とりあえず、萩原は佐倉先生に近づいたりするなよ」

「なんでだよ」

「発情したら、大変だろうが」

「いや、どっちかっていうと佐倉先生から……」

「は?」

「ハギーは佐倉先生じゃない沢山の人とも仲良くしてるよね」

「まあ、イイ関係?」


イイ関係?
萩原は佐倉先生じゃない沢山の人とも仲良くしてるのかよ。

しかし、教師が生徒と関係を持つことを禁止していないんだよな。
これも、慣れ。


「佐倉先生だけにしとけ。特に既婚者には手を出すな」

「桜坂、そりゃないぜ」

「ハギーは愛野先生とも仲良くしてるよ」

「お前ら、いつか刺されるぞ」

「サクラ、なんで僕も刺されるのさ?!」


多分、慣れてしまった俺が言うのも変だが他の学園とずれていると思う。

しかし、慣れは怖いもので。
男子に好意を寄せられても、迅速にお断りの対応ができるほどまでに成長した。

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