華蓮学園高等部

□05.華と艶
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あれから、生徒会室に立てこもり中。
中にいるのは、副会長の水野だけ。

「野外セックスですか…」
「ああ、野外セックスだ」

どんよりした空気。
そりゃあ、重くもなるわ。

「新聞部の仕業だと思います」
「新聞部?」

この学園の新聞部は、いつも真面目な仕事というか。こういうスキャンダルは取り上げないのだが。

「新聞部は3年は在籍せず、2年の艶組が仕切って運営しています」

2年の艶組。そう言えば、奴らは俺の失脚を狙ってるとか何とか言ってたな…。

「革命を狙ってる連中か?」
「多分、そうでしょう」

待ってました!と言わんばかりのタイミングで皇が告白したからか。そして、それからのこともか。
俺を失脚させて何がある。
ただ、『生徒会長』ではなくなるだけだろう。

「香哉は何と言ってましたか?」
「四条?いや、何も」
「……そうですか」

どうしたらいいんだ。このままでいくと、初代の時代よりも荒れ果てることは絶対。
副理事長の企みは『学園統一』だった。
その企みを阻止することはできても、無理やりにでも統一しそうな副理事長だからな。

もし対立したままの統一は、最悪の学園生活になる。

「新聞部に会うしかない、か」
「会いますか?」

水野の不安な表情。
それもそうだ。この記事だって、教師や副理事まで届いているかもしれない。

でも、このままは良くない。

「俺を失脚させたい奴らには会わないといけないな」

水野は呆れた顔をして溜め息をついたが、部活動の所属者リストがある書類を持ち出してきた。

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