クリムゾン・ブラック
□ラッキーデイズ
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俺には片思いの相手がいる。その人は儚げで美しくデリケートに扱わないと崩れてしまいそうな雰囲気をまとっている。
風に揺れる黒髪、どこか虚ろな黒い瞳。
窓辺に座って頬杖ついて、外の景色を眺めていた、その姿に惚れてしまったらしい。
しかし、参った。
ただでさえ、自分は不良と思われているに違いない。いや、思ってる。
高校3年生。つい最近、18歳になったばかりの俺だけど、悩みがある。
身長:183センチ
体重:70.2キロ
血液型:O型
髪の色:赤みがかった茶色
瞳の色:茶色
自分で言うのはアレだけど、そこまで変な顔でもないはずだ。
女の子から告白されたことぐらいは……、ない。
そうそれもこれもあれも全部、俺の目つきが鋭いからだ!!!
「Aは、いつも葛生を睨んでるよな」
「葛生が気に入らないんだろ」
「いつかAに殺されるぞ」
「Aにガン飛ばされてんの分かってないんじゃね?」
「俺が葛生だったらマジ死んじゃう」
俺の名前は花井敦。
通称、Aと呼ばれている。理由はよく分からないが、おそらく少年Aとかの意味ではないかと思われる。
俺は別に不良じゃない。
髪は茶髪(赤っぽい)だけど染めてない。
成績だって、どちらかと言えばというか言わなくとも模範生だ。そう、優等生ということだ。
「……ねぇ、花井君。 僕に何か用があるのかな?」
柔らかい優しい声色、その持ち主である彼が俺の横に立っていたのだった。
ヤバい心臓止まりそうなんですけど!!!
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