クリムゾン・ブラック
□プリンセスミッション
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「ごめん、待った?」
「いや、俺が早かっただけッス」
今日は日曜日。葛生から買い物に付き合って欲しいという要請に、もうテンションが舞い上がってしまって、約束の時間より二時間も前に着いてしまったし、なんだかそわそわする!
私服の葛生もまた素敵だな。
「花井君って、イメージと正反対の服装なんだね」
「あ、そうですね……」
やはりパンクとかロックとかストリート系みたいなイメージだったか。
すみません、シャツにベストにネクタイで。もう、正反対の服装ですみません。
それに変わって葛生は俺のイメージと反対というか大人しい服装をイメージしていたけれど、結構オシャレさんだな。
それにしても、俺と買い物とは……。
もしかしてもしかすると、これはデートか?!
「花井君、大丈夫?」
「えっ」
「早く行こうよ」
「あ、はい」
ああ、俺が女の子だったら良かったのに。きっと、葛生と手を繋いでデートしてキスして……。
葛生と並んで歩いてみると、俺より背が低いことを知った。(俺が高すぎるかもしれないけど)
て、こんなに大きすぎて眼光の鋭い女の子と、儚げな葛生……。釣り合わない。
今でも俺と葛生は釣り合っているのか?
「あ、あの」
「なに?」
「どこに向かって?」
「デパートだけど」
「……逆方向」
「ウソ、恥ずかしいな」
方向音痴だったのか。いや、まさかデパートの場所を知らないっていうパターンじゃないか?
それなんてお姫様だよ。
俺がデパートまで案内する形で、また歩き出した。
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