クリムゾン・ブラック
□クリムゾンダーリン
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それからイチャイチャラブラブな学校生活を期待していたのに、現実は残酷すぎる。まったく。イチャイチャラブラブだなんて、そう、イチャラブなんて期待していた俺がバカだった。
「花井君」
「あ、葛生」
学校生活で男同士がイチャラブだったらどうよ?引くぜ?引いちゃうぜ?
異性同士のお付き合いで学校生活でイチャイチャされても迷惑だろ。
「ね、今日がタイムリミットなんだ」
葛生の顔色が陰っている。
タイムリミット?何のこっちゃ。
心の声が顔に表れてしまったらしい。葛生が苦笑いして俺を見ていた。
「18歳の誕生日」
「葛生おめでとう……って、今日?!」
「明日」
18歳までになんたらかんたらって須佐さんが言っていたような。
いや、言っていたな。
18歳までに恋人を作らないと変態葛生兄が葛生を愛玩って……。俺が恋人でしょ。何がタイムリミット?
葛生は俺の腕を引っ張って、廊下をズンズンと歩いていく。そんな光景に、みんなザワザワして、俺たち(特に葛生)の行方に気にかけているようだった。
だから、別に血祭りとかしないから!
何だか分からない使われていない会議室に俺たちは入った。
苦しそうな表情の葛生が俺を見つめていた。(やっぱり可愛いんですけど!!)
「今日中に、花井君を僕の兄に会わせなくちゃならないんだ」
「対面?!」
俺と変態葛生兄と?!
ご対面して、何するんだよ。俺にはエスパーとか無いよ?喧嘩とかしたことないからね!
「……兄の前に恋人を連れてこれなければ、僕はこのゲームに負けてしまう」
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