過去拍手
□お正月シリーズ NO.3
1ページ/3ページ
『なーんで、大晦日に合宿しちゃうかなぁ』
12月31日。
都内某所。
…まあ、跡部さん家の敷地らしい。
夜練がようやく終わって、ひと息ついているとお風呂上がりなのか、ラフな格好の手塚部長とばったり。
「マネージャーは参加自由にしていた筈たが?」
『手塚部長!だって、他の子みんな来れないって言ってたし、マネージャーひとりもいなかったら折角の合宿なのに練習に集中できないじゃないですか〜』
意外にも愚痴を聞いてくれる手塚部長とお話していると、これまたお風呂上がりっぽいラフな姿のリョーマくんが現れた。
「あ、こんな所にいた」
『リョーマくん!!探してくれてたの?』
「英二先輩がみんなで年越しトランプしようって」
『あはは!年越しトランプ?楽しそう!』
「じゃあ、はい」
『うん!』
差し出された手に、自分の手を乗せて、絡められる指の温かさについ頬が緩む。
「はは、相変わらず仲良しだなあ」
「大石か。…そうだな」
「手塚もそんな顔するんだな」
「?」
「微笑ましそうな顔になってたぞ」
「……明日のメニュー考えるか」
「ねえ、ちょっと遠回りしようか」
『うん?』
「…一年間お疲れ様」
『ふふ、ありがとう。リョーマくんも、お疲れ様』
そこで、リョーマくんはぱたりと歩くのを止めて隣を歩いてたあたしをじーっと見つめた。
『なに?』
「あ、いや。えっと…来年も、よろしく」
ちゅ。
『〜〜〜っ、』
「へへ、真っ赤」
『もっ、いきなりすぎる!』
「ぷっ、くくっ」
一年の終わりと、新しい一年を迎える瞬間にいてくれるのが君でよかった。
顔を見合わせながら笑い合って、心からそう思った。
END
(おチビたちおーそーいー!)
(まあまあ、英二先輩。っと、何やってんだアイツら?)