御礼企画小説
□happy new year
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ハッピーニューイヤー♪
「シエルさんセバスチャンさん、あけましたーっ!」
「…なんだそのやる気のない挨拶は」
「じゃぱにーずグリーティングでございますー」
「あけましておめでとうございます、日本の新年を祝う挨拶ですよ。坊ちゃん」
「わあ、お美しい発音ですこと!こんな美声が聴けるなんて、これは今年も良い年になりそーですね」
「新年早々悪魔と挨拶なんぞ、幸先悪い事この上ないな」
「なにおう!」
「おやおや、元日からお先真っ暗ですね」
「ちょっ、なに楽しそうに笑ってるんですかセバスチャンさん」
「貴女が不幸だと、私は楽しい事この上ないと思いまして」
「新年早々どえす炸裂してんじゃねーよ」
「この口ですか?私に向かって生意気を言うのは」
「いひゃいれふ。ひゃなひてくらはい」
「何を仰っているのかさっぱり」
「ひえるひゃん…!」
「……離してやれ、セバスチャン」
「御意」
「は!ざまあみろー悪魔で執事め」
「僕を盾にしながらほざくな!」
「だって恐いんだもん。あの美人の笑顔には悪意が詰まってるんだよ」
「言われなくても知ってる」
「意味深発言っすねご主人!!」
「こいつを黙らせろセバ…」
「ぎゃあぁあすいませんごめんなさい」
「今年はずっと土下座し続ける1年になりそうですね」
「まじ勘弁ですそんな1年」
「なかなか似合うと思うぞ」
「なんでシエルさんまで笑ってるんですか!私の味方はいないのですか!うわーん似非英国紳士どもめ」
「嘘泣きをするな!そしてさらっと毒を吐くな!」
「番犬貴族伯爵社長め」
「意味が分からん!なんなんだ僕の肩書きを適当に並べるな…!」
「キュートぷりてぃラブリィメイド」
「そんな奴どこにいる?私素敵すぎるみたいなポーズをとるなっ」
「それって嫉妬?いやよー嫉妬はいやなのー」
「貴女がいると、賑やかな年になりそうですね」
「え?セバスチャンさんなんか言った?」
「いえ、此方の話ですよ。本日は日本の正月に習っておせち料理を御用意致しましたので」
「それは楽しみだな」
「すごくおっきい重箱に詰めたんですよー!」
「詰めただけか」
「ひどーっ!もう先行って食べちゃいますからね。ダァーッシュ!!」
「……本当に騒がしい奴だな」
「きっと坊ちゃんにとっても彼女にとっても良い年になりますよ」
「………」
「あっ!そうだ」
「なんだ、戻ってきたのか」
「どうかしたのですか?」
「言い忘れてました。2人とも、これからもよろしくお願いしますね」
「「…………、」」
「ん?どうかしました」
「いいえ。此方こそよろしくお願い致します」
「まあ、世話してやらん事もない」
「じゃあこれからもお世話になります!どうぞよろしく!」
(今年もまた、その場に似つかわしくない程の笑顔で)
ー今年もその笑みを、隣においておくことはできるのでしょうか
(お正月と言えば…、お年玉じゃん!)(僕に金をせびる気か!)(シエルさんには御給料頂いてるのでー、セバスチャンさんっ!)(私にですか…恐ろしい人ですね貴女は)(悪魔に金を強請るなど悪女の心髄だな)(悪の貴族に悪女って呼ばれるのは照れますねー)(誉めてないぞまったく!)
あけましておめでとうございます(^^)
ここへお越し下さるみなさまにとって、最高の1年になりますように…!
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