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□『普通の人々』あおり文
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KINO製薬第一回公演「普通の人々」のあおり文。
「わかった？」
「はい」
「わかってないでしょ？」「はい」
…でもきっとそれが、
この世界の全て。
↑みたいなやつの長いバージョンを創ってました。全４種です。
悠か彼方の京浜東北線
一直線に広がる青い情景
その上を、羽のない鯨が飛んでいく
私はみた、確かにみたんだ
誰かが言った
「鯨が飛ぶわけないでしょう」
センセイが言った
「そもそも、鯨に翼は生えていないんだよ？」
お母さんは言った
「私だったら中央線で泳ぎたいわ」
…だから、お母さんは好き
でも誰も、本当のことは教えてくれないんだ
みんなみんなしらんぷり
だから正解は私だよ
俺だよ
僕だよ
私だよ？
うるさいよ
答えはきっと、ワタシだけ
お腹がいっぱいなんだ
苦しい
苦しい
苦しくて、早く出してしまいたくて、
やみくもに宙を裂く
顕れるは紅い蠹
洗われるは明い無私
妄想は腕を這い
愚かな少年と伴に霧と化す
気持ちいい？私の蠹
気持ちいい？私の蛆
もうすぐあいつがやってくる
何も知らないあいつがやってくる
私に吐き気を盛ってくるんだよ
無知は罪
無恥は詰み
詰んでしまえ投了しろ
…だから女に教養はいらないんだよな
暗い部屋に二人ぼっち
貴方にわかる？
この悲劇
この幸福
貴方にわかる？
このどうしようもない箱庭のパラドックス
矛盾、無純、夢巡、剥殉…
無情
僕は、ドレ？
君は、ナニ？
きっとオマエラには解らない
灰色ならいらないんだ
白か黒
それがこの世界
すべて終わらせてやるからな
だから今は
青年の心は結瞑の中
さようなら
もう二度と、遭いたくない
私のことが、わからないんでしょう？
私だって、わからないんでしょう？
バーカばーかバーカ
ここに答えは無いよ
だって私が殺したから
鋏でメッタ刺しにして、鋸でバラバラにして、鎚で粉々にして、
全部全部、この夜にばらまいてやったんだ
答えは死んだ、消え失せた
それがとてもとても奇麗でさ
あまりにも奇麗すぎてさ
私は涙が止まらなかったんだ
「ああ、次に殺されるのは私なんだ」
って、
涙が止まらなかったんだ
…今もきっと、止まってない
ああ、もうすぐだ
もうすぐ海がやってくるよ
私が出した私の涙の私の膿で
その底で、溺れ死ぬ
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