SHORT PLAY

□空き缶女
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えっと、これは前に後輩の女の子にあてて書いた路上パフォーマンス用の台本です。一人劇です。あてがきです(ノд<。)゜。

★☆★

タイトル「空き缶女」

必要なもの→空き缶、空き缶女。ゴミ箱のそばでの上演が望ましい。


どこからともなく空き缶が投げられる。そこに、空き缶女がやってくる。一心不乱に空き缶を蹴りまくる空き缶女。やがて、それに飽きたのかなんなのか、空き缶をぐしゃっと踏み潰す。

女「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10!たっちゃんみっけ!みーちゃんみっけ!はなちゃんみっけ!まーくんみっけ!みんなみーんなみーっけた!!」

空き缶女、大笑い。

女「ルールまざりすぎー!(笑)」

大笑い。

女「寒いのに偉いわねえなんていらねえんだよ!(笑)」

笑いながら足をあげる。横からつぶしたので空き缶が足にくっついてる。


女「ありゃ?」

空き缶を外そうとするが外れない。やがて、ぴたっと静止する。


女「………わたしのことを、キチガイ女と思うかえ?…きえー!(と、空き缶がくっついたままあばれる)」

女「外れねえ!」

後向きのまま静止する空き缶女。やがて、後向きのまま「明日があるさ」の一番をなんとなく歌い、急に止める。振り向く。

女「おいおいおい、ちょっとこいちょっとこい…おー、きたきたきたよしよしよし…てか、でか!でかいなお前…まあ、いいや。ちょいそこ座れ座れ、まあまあ座れ。そうそう、正座正座」

架空の何かを座らせる空き缶女。架空の何かがでかすぎて、必然的に見上げる形になる。

女「あんなー、もうなー、だめやで?公共の場であんなことしちゃー。めっ!もう、めっ!!おねーちゃん、はずかし!もうはずかし!…え?ああ、いいの!これは気にしないの!…(と、空き缶がはまった靴を脱いで頭にのせる)……………どう!満足か?」

頭の靴が落ちる。


女「…………な!」


まったくもう…などと言いながら靴をひろう。しばらくそれを見つめる空き缶女。

女「まったく…こんなにこびりついちゃって…こんなに…こびりついちゃって…」


やがて、明日があるさの替え歌を歌いだす。

女「明日があればいいのにな
明けない夜はないけれど
明けた朝が晴天だと
一体誰が決めた?
明けた朝が晴天だと
一体誰が決めた?
明けた朝が晴天だと
一体誰が決めた?…」

静止。また歌いだす。

女「…電車降りたら急にふりだした、誰か傘ください…明日があれば!明日があれば!あーれば明日があれば!明日があれば!」

しばらく狂ったように歌う空き缶女。やがて、歌をやめる。


女「………わたしのことを、キチガイ女と思うかえ?…(笑)」

女「ひがむのはおよしよ…私は誰よりも、誰よりも…」

間。

女「きえー!はい!ぱっかーん!(と、靴にくっついた缶をはずす)ひゃっひゃっひゃ!おまえもおまえもおまえもおまえもみーんな、はんっ!(と、ごみ箱に空き缶を投げ捨てる)はい!ぱんぱん!(と、ごみ箱に対して拝む)」

間。

女「…………奇跡的にあと二人ふえて、パフュームみたいになれますように……」

間。


女「(誰かに肩を揺さ振られているらしい)…うん、うん、…わかったよ。わかったから…」

立ち上がって何かに手を差し伸べる。

女「いこう」

が、差し伸べた相手が立ち上がると予想以上にでかかったらしく、空き缶女が引きずられる形になる。

女「わっほい!んもう…でかすぎるよ君は…あっはっは、あー、楽しい…」

空き缶女、去る。


終わり。


…上演する場合は公演日を教えてください。観たいです(笑)


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