迷い桜2

□愛してた、いや。愛してる。
1ページ/2ページ

愛してた、いや。愛してるよ。
ずっと、これからも。

だけど、貴方は俺を殺そうとしてる。
今この瞬間。
俺の中にいる、貴方の子供ごと俺を消そうと刄を向けている。

ああ、何て。

何て滑稽なのだろうか。

「目を覚ませ」

声を掛けるがそれは震えて。
膝が笑う。
ニタリと笑う貴方。

「あんたは、人なんだよ。化け物何て言わせない。人だ!!」

例え、誰もが貴方を拒絶しても。
俺は見捨てない。

貴方が、俺を見捨てなかったように見捨てはしない。
全てを受けとめるよ。

「セフィ大好きだよ」

かき消された言葉は、貴方に届いただろうか…。
例え、鬼になろうとも、ずっと居たかった。
だって、貴方だけだったから。

だから、だからね。

あの時約束したの。
壊れたら、壊してあげる。
俺が、壊してあげる。
貴方が後悔する前に。
ソッと抱き締めれば、縋るように抱きついてきた。
とても愛おしくて。






















伸ばした手。
掴んでくれたのは、アンジール。
迎えに行くよ。
だから、待っていて。
泣かないでね?

………うん。
ずっと、ずっと一緒だよ。
セフィ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ