迷い桜2

□君を愛せと神がいうのなら
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ああ、神は残酷だ。
今まさに俺は自分の初恋を、自ら摘み取った。
初恋は叶わない。
確かにその通りなのだが、いくらなんでもあんまりだ。

大好きなんだ。

しかし、それを言った所で相手は苦笑してから、俺も大好きだよ、と返して来るのは目に見えていた。
俺の大好きは、友達以上の意味を持つのに、分かって貰えない。
それもそうだ。
だって、相手は友達以上に俺を見ている訳ではない。
むしろ、友達のカテゴリーなのだろう。

そう考えれば考えるほど、虚しかった。

目の前で幸せそうな君を見れば見るほど、俺は自分自身が惨めだった。

ソルジャーになれば、変わると思ったのに、いつまでも俺は弱虫のまま……。
実際、ソルジャーになんてなれなくて、平兵士なのだ。

どんなに頑張っても、英雄には程遠かった。

それが、ある時を境に激変した。
妊娠したと喜んでいた、大好きな君が気付いたら血塗れで倒れていたんだ。

なぜ、どうして?

君はそこで血に濡れているの。

どうして、そんなに悲しい顔をしているの。

どうして……君は冷たいの?
 

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