物置(ゆめ)

□御題SS企画 10通目 最終便 【猿飛佐助】
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【充電切れた】










相変わらず、人遣いならぬ忍遣いが荒い大将である武田信玄からの任務を終えて
大将に報告の後に、主である真田幸村いる城に戻った
予定では、長期任務になるはずであったが思いのほか仕事がさくさくと進み真田十勇士で猿飛の部下である
才蔵に伝令に行かせると、戻ってきた才蔵に次の任務を言い渡された
何時もの事ではあったが、結局予定より長い時間城を開けることになった



「姫ちゃん寂しがってなきゃいいけどなー……」



しのびながら、この猿飛佐助には想い人がいる
性格には恋人同士の相手がいる名前は姫。武田軍は真田の武将である
最近では幸村の近くでその実力を発揮するまでに至っている
武田信玄に孫娘のように可愛がられ、幸村からすれば姉弟の様なものである
武田の皆に愛されている姫であり、なおかつこの佐助が溺愛しているのは、周知でなのだ



「真田忍隊猿飛。ただいま戻りましたよっと。」
「おう!佐助よく帰ってきた!」
「もう、大将ったら忍遣い荒すぎるっしょ…これじゃぁ割に合わないって旦那〜」
「お主には無理をさせてしまってすまぬ。佐助、お主を信頼しておるぞ」
「あ〜はいはい。そう思うなら給料上げてよね〜」
「して佐助。」
「話し変わっちゃうのね…俺様泣いていいかな……」
「姫殿が物凄く心配そうな顔でお主の帰りを待っていたぞ」
「そうね〜待たせちゃったし。それじゃぁ、旦那。俺様はもう休むよ〜
愛しの姫にも早く会いたいしね〜」
「そうだな。早く元気な顔を見せてやってくれ」
「ハイハイーイ」



幸村の元を直ぐに出て姫のいるであろう部屋へと向かう
が、姫の部屋に気配はなくなぜか佐助の部屋から人の気配
静に襖を少しだけ開けると姫が、窓際で空を見つめている姿があった



「(あらら、しおらしい顔しちゃって)」
「さすけ…無事かしら……」



そーっと姫に気付かれないように近付き



「姫ちゃんただいま」
「さ、さすけ?!!」



後ろから抱き締めてやると、吃驚したらしく姫の声は裏返っていた



「何時返ってきたの?」
「ついさっき」
「怪我してない?」
「平気……それより何にも言ってくれないの?」
「あ、お帰り佐助」



後ろから抱き締めていたので姫は顔を上を向けて佐助と軽い口付けを交わした
普段自分からしてこない姫がしてきたため、驚いて拍子抜けした顔をしてしまった



「ふふっ。佐助変な顔」
「変なって、恋人に向かって酷くない?俺様傷付いちゃった」
「あら、私の知ってる佐助はそんなやわな人じゃないんだけれど?」
「あのね〜。俺様ずーっと姫と会ってなかった訳よ…もう、充電切れ」
「あら、奇遇ね私もよ」
「という事で、俺様に膝枕してくれないかな?あんまり寝てないんだよね〜あは」
「お勤めご苦労様です」



優しく笑う姫の顔に癒されている佐助は



「(俺様って。結構重症よね〜)あれー膝枕は?」
「どうぞ。私の膝でよければいくらでお貸しします(笑)」
「姫じゃなきゃ俺様は嫌だよ」
「そうね、佐助にしか膝を貸したくないわ」



お互い顔を見合わせてクスリと笑う
姫の膝に、頭を乗せて姫の顔を下からじーっと見つめる



「眠るのではなかったの?」
「久しぶりに会った姫の顔しっかり見ておきたいな〜ってね」
「そうね。でも、ゆっくり休んでからでも遅くないわ」



そう言って姫は佐助の額に手を置き頭を撫でた



「それじゃ、姫のお言葉に甘えて寝ようかな」
「そうね」
「おやすみ姫」
「ゆっくり休んでね」



空いている方の手をしっかりと繋ぎ佐助は眠りについた























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