short*
□キミとボクとは似た者同士?
1ページ/6ページ
今目の前にある光景は、幻覚だろうか?
いや、幻覚であってほしい…。
キミとボクとは
似た者同士?
「義骸は…?」
――現世,空座町のある一画
総隊長の命による現世派遣組、日番谷冬獅郎,松本乱菊,阿散井恋次,斑目一角,綾瀬川弓親,朽木ルキアの六人と、『死神代行』黒崎一護らが破面との初戦を交えていたその少し後の話。
傷を負った彼らは、井上織姫による治療を受けていた。
今はちょうどルキアの治療も終わったかという頃である。
そんな中一人声を上げたのは…此度の派遣任務の引率者的存在、日番谷であった――。
+ + + + +
俺は、自分の義骸が見当たらない事に気付いた。
「そういえばいませんね…」
「何処行ったんだ…」
「何て言ってあったんです?」
「ケガしない場所に逃げとけ、と…」
「ならきっと大丈夫ですよぉ♪ 織姫!あんたあたしの義骸と一緒にいたわよね?ドコにいったか知らな〜い?」
「ら‥乱菊さんの義骸ですかっ?!えっと、その…ι」
何故か急に慌てだした井上織姫。
「?? どうしちゃったのよあんた?何か変よ?」
松本はその様子が気になっているようだ……
この時井上以外の者は知る由も無かった。
あいつが松本の義骸に押さえられている間、"セクハラ"に悩まされていたとは……
「そっ、そんな事ないですよぉ!義骸さんですよね!だったら、あたしがここへ来る時に部屋に入ってるように言ってきたので、下にいると思います!」
「なんか変ねぇ…。まぁいいわ!ありがとう織姫♪ だそうですよ隊長」
「どうした冬獅郎?義骸が迷子か?」
「ざけんなてめえ!」
ウザい黒崎に一喝。
「松本副隊長がお持ちのソウルキャンディーは新製品で『モモネ』というのです!日番谷隊長のも同じく新製品の『キング』です!!」
突然テンション高めで話に入り込んできたのは、今しがた治療が終わったばかりの朽木ルキア。その傍らには、義骸の『チャッピー』。
「へぇ〜、あんたよく知ってるわねぇ。隊長は知ってましたぁ?」
「知らん!いいから探してくる。お前も暇なら手伝え!」
「へーい。」
「日番谷隊長〜!!」
「どうした阿散井?」
「俺の義骸も見当たらないんスよぉ。んで俺も探しに行ってくるんで、隊長のも見つけたら連絡しますよ!」
「恋次!貴様のは『ギンノスケ』だ!!」
『モモネ』の消息は分かったものの、『キング』は相変わらず行方知れずだ。
俺は仕方なくそんな…言いたかないが迷子の己の義骸を探しに行く事にした。
とりあえずこの屋上を降りようとする。
「安全なところにいるハズですから、建物の中とかじゃないですか?」
「変なところにいなきゃいいが…」
まずは何処を探そうか…
そんな事を思っていると……
「隊長…っ!」
途端、隣にいた松本が声を上げた。
「アレ…」
指差す先は、道端のゴミ置き場。
………自分達が今探していたものは何だったか?あぁそうだ、義骸『キング』とやらだ。
いとも簡単に見つかったよ…。
キングのいた場所、それは………
ゴミバケツの中。
*