short*

□好みと傾向
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「寒……」


ポツリと呟いたのは‥


「日番谷隊長‥寒いんスか?」


それに応えるように言うのは…


「あぁ‥。お前は寒くねぇのかよ、阿散井?」



十番隊隊長・日番谷と、六番隊副隊長・阿散井。




「そりゃ寒いっスけど……」


「けど‥なんだよ…」



この日…初秋。暑さが去ったかと思った頃――今日は寒かった。




「いや…日番谷隊長寒さ強そうだし…」


ただ、思っていた事を口に出す。



「何でだよ」


如何にもうざったそうに返された。



「だって氷輪丸って…」



氷輪丸と言えば、日番谷の持つ氷雪系最強の斬魄刀。
恋次はそんな斬魄刀を持つ日番谷の「寒い」などと言う言葉に単純に違和感を覚えたのだ。



「関係あるか。寒いモンは寒いんだよ」

「そおゆーモンなんスか?」

「あぁ、そうだ」


面倒臭そうに恋次の疑問に答える。


「でも、寒いのが好きとか?」


また疑問を投げかける。
ただ何となく言ってみただけ。

だが…


「ならお前は蛇が好きなのかよ?」

「へッ!?び…??」


いきなり返された質問に戸惑う恋次。


「そ‥別にそんな事は…。てか蛇尾丸はヘビじゃないっスよ!」

「似た様なもんだろ」

「くッ…」


何食わぬ顔で答える日番谷と、それに言い返せず悔しそうな表情の恋次。


―この子供は…妙に大人びてるかと思えばたまにこんな事言うんだな‥‥



「何考えてんだ?」


「いっいえッ!!別にっ!」



ヤベェ…何この人、心読めんのかよ…ι



有り得ないと分かりつつもそんな事を思ってしまう阿散井副隊長。
相当焦ったらしい。
外見子供でも、一応上司なわけだし……てこの恋次がそんな事を気にしている訳はないだろうが。



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