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□聞こえたのは轟音と‥‥。
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「ガルシア!!」
たくさんの声が行き交う中、たった一人だけ聞き分ける事が出来た。
「大丈夫か?!」
必死に木の杭にしがみつきながらも声の主を探す。
「ロビンは広場にいって、エナジーの残ってる人を探してきてちょうだい。」
おばさんにいわれ、彼はうなずいた。
―行かないでくれ―
「ガルシア!!
待ってろよ!!絶対助けてやるから!!」
そういって彼は髪と同じマフラーを風になびかせ、行ってしまった。
もう、体力の限界が近い。
無理だ‥‥。
もう、届かない。
最後に一言、言いたかった。
「今行くぞ!ガルシア!!」
彼が帰ってきて
橋から叫んだ。
―好きだ、ロビン。―
声にならない声で叫んだ。
同時に俺は流された。
大岩が川を氾濫させ、俺は波に飲まれた。
そして、最後にちゃんと聞こえたのは君の叫び声と轟音だけ。
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