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□プレゼント
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ある草原に一人の青年が横たわっていた。
「ガルシア!!」
ガルシアと呼ばれた青年は身体を起こすと、自分の名を呼びながら走ってくる青年を見付けた。
しばらく待っているとその青年はガルシアの横まで走ってきて、そのまま横たわった。
水色の髪に金色の瞳。
どことなく不思議な感じのする青年だった。
「ピカードか。どうした?
ジャスミンとシバと買い物に行くんじゃなかったのか‥?」
「ジャスミンとシバだけで盛り上がってしまい入り辛かったんです。」
ガルシアの問いにピカードと呼ばれた青年は苦笑いで答えた。
「あ、そうだ。これを‥‥。」
いそいそと何かを取り出すピカード。
ピカードが取り出したのはジンの形をした小さな硝子細工だった。
「これ、可愛くてつい買ってしまいました。
これはガルシアにあげますね。」
二つあるうちの一つ‥‥
地のジンの置物をガルシアに手渡した。
「ピカードは可愛い物が好きなんだな。」
「はいっ!あ、でも可愛い物よりももっと好きなものもありますよ。」
少し悪戯っぽく笑うピカード。
それに対しガルシアは。
「なんだ?それは??」
そう答えた。
「それは‥‥。」
言いかけた時、ピカードの唇を何かがふさいだ。
「なんだ?何が好きなんだ??」
ガルシアの顔が少し離れる。
「っ‥‥がっガルシアっ!!///意地悪しないで下さいよっ///」
「今まで、一番好きなものなんて聞いたことなかったからな。
気になるんだ。」
そういうガルシアの顔は真剣だった。
意地悪なんてしているようにみえない。
「そ‥それは//ガルシアですよっ///」
顔を赤らめピカードは言った。
「やっぱり可愛いな。ピカードは。」
クスクスと笑うガルシア。
やはり彼はピカードに意地悪をしていたのだ。
「や、やっぱり意地悪だったんですね!!」
真っ赤になり、ガルシアをポカポカと叩くピカード。
「悪かった悪かった。」
そういうとガルシアはピカードを、睫毛の一本一本がはっきりと見える距離まで引き寄せた。
重なり合う視線。
お互いにしっかりと見つめ合う。
時が止まってしまったかのように思えた瞬間、ガルシアがさらに引き寄せ、二人の唇が重なり合った。
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