BOOK

□心の声
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寒空の下、星が綺麗だった。

「ロビン、どうかしたのですか?」

気付くと背後にイワンが立っていた。

「あ、いや‥別に‥‥。」

「そういうということは、考え込んですね。」

何を隠してもイワンにはバレてしまう。

「まぁ‥‥な。」

時々リードを使っているのでは‥‥と、思ったりする。

だが、イワンは人の心を覗くその能力をとても嫌っていた。

なのでそれを使うとは考えられなかった。

「ロビン、またガルシアの事を考えているのですか?」

その言葉を聞いてドキッとした。

「何故、それを‥‥?」

リードを使ったのかという不安が胸をよぎる。

「ジェラルドに聞いたんです。
ロビンは誰よりもガルシアを心配している。
付き合っているお前よりも、あいつはガルシアが心配なんだ。と‥‥。」

そう話すイワンの声はとても沈んでいた。

哀しみに満ちたイワンの声。

「ジェラルド‥‥‥それいつの話だよ‥‥‥。」

ジェラルドはイワンと出会う前の事を彼に話したようだ。
が、その言い方はまずいだろ‥‥。
普通に考えて誤解が生まれるはずだ。

「‥‥ロビン、すいません。」

哀しみと怒りに満ちた声と共にオレは草原に倒された。

「ちょ、イワン?!」

「ロビンがいけないんです。
ぼくがいながら他の人の事ばかり考えるから‥!」

倒され、仰向けになったオレの上に乗り、胸の当たりを殴ってくる。

「ちょっとまて!誤解だ!!
嘘だと思うならリードしてみろっ!!」

「え‥?」

イワンは少し戸惑うものの、リードを使ってオレの心を覗いた。

正直、恥ずかしい。

イワンに対する色々な思いが全て覗かれると思うと‥‥。

「‥‥‥‥。
疑ったりしてすいませんでした‥‥。」

オレの上から降りて頭を下げるイワン。

「気にするな‥。
それに‥‥なんだ‥‥その‥‥‥‥‥。」

「言わなくてもわかりますよ。
先程、全てみさせてもらいましたから。」

にこっと笑うイワン。

全て‥‥まるわかりってわけか‥‥‥。

「ロビンのしたいこと、また今度叶えてあげますからね。」

「なっ///!」


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