話しを聞くと千鶴はもともと江戸の人で連絡の取れなくなったお父さんを探しに京に来たらしい。
『───ほんとに私一緒にいていいの?』
「もちろん。実は私も1人でここまで来て心細かったんだ。だから紫帆ちゃんが居てくれたら心強いな。」
『千鶴…!』
「これからよろしくね。」
『千鶴ぅぅぅっ!』抱きっ
「わっ!」
───と、まぁこんな感じのやりとりがあり私は千鶴と共に行動することになった。
「あの、すみません!」
そして、これから千鶴は松本先生という人を訪ねるのだと言う。
なんでも松本先生と言うのは幕府に仕えている医者で面識があるんだとか。
ていうか昔って大変だなぁ…今なら誰が何処で何をしているかなんて電話1本で分かるし。
自分の携帯を確認してみるも圏外。役に立ちそうには無い。
しかも千鶴は江戸から京まで歩いて来たのだという。私が居た時代ならそんな歩くなんて考えられない。頑張ってチャリだな。
「道をお尋ねしたいんですが──」
『…』
千鶴が話している間ぼんやりとそんなことを考えていた。見てろよ神様