見てろよ神様

□私は…誰だ?
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まぁ、その場は近藤さんが声を荒げて反論してくれたおかげで脱がずにはすんだんだけど。



「…私は、雪村千鶴と言います。」



それから千鶴は自分のことを話し出した。もともとの住まいは江戸にあること。連絡の途絶えた父親を探しに京に来たこと…

そして千鶴の父親の名前"綱道"という単語を聞くと場の空気は一変した。



「これは、これは…まさか綱道氏のご息女とはね。」

「父様を、知っているんですか……?」

「……綱道氏の行方は、現在、新選組で調剤している。」

「新選組が、父様のことを…!?」


その言葉に千鶴の声が少し大きくなった。なんでもその綱道さんという人は新選組と同じ幕府側の協力者らしい。でも少し前から行方不明で彼らも調査中なんだとか。



「父様…」



千鶴は不安そうな声で呟いた。実の父親が行方不明なんてそりゃ、不安にもなるよね。私はよしよしと千鶴の頭をなでた。



「あの蘭方医の娘となりゃあ、殺しちまうわけにもいかねぇよな。……昨夜の件は忘れるって言うんなら、父親が見つかるまでおまえを保護してやる。」

「あ…、ありがとうございます!」



千鶴は勢いよく頭を下げて彼らにお礼を言った。こうして千鶴は新選組に保護されるという形になったんだけど、



「この子の事情も分かったことだし、次は君だね。」

『?』



茶髪の言葉を皮切りに今度は私へと視線がつきささる。



「何とぼけた顔してやがる。お前だよ、お前。」

『…』



何て言えばいーんだ。
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