『え゙っ千鶴私より歳上なの?』
「うん…」
衝撃の事実発覚。千鶴はまさかの歳上でした。どーりでしっかりしてるわけだ。
「…でも16歳なら厠くらい一人で行けるでしょ?」
『無ー理ー。小6までトイレは親に着いてきてもらう女だったからね、私は。』
私は千鶴の手を引っ張りながら厠への道を歩く。ぶつぶつ文句を言いながらも着いてきてくれる千鶴はやっぱり優しいと思う。
てか早く行かないと限界…
「ほら…アイツらだよ…」
「アイツらが…」
早歩きで廊下を歩いていると前方に3人、新選組の平隊士がいた。こちらを見ながら何かひそひそと話をしている。どうやら陰口みたいだ。
「紫帆ちゃん…」
『関わらない方が良さそうだね…無視しよ、無視。』
何も言わず、横を通りすぎようとすると、
「おいおい、挨拶も無しかよ新入り。」
声を掛けられてしまった。そのまま無視すればいいものを千鶴は足を止めてしまう。
「す、すみません…ちょっと急いでたもので…」
平隊士の人たちが前から私たちのことをよく思ってないのは前から知っていた。
急に現れて、個室を与えられ、特に仕事もせず一日ぐーたらしているだけ。毎日命懸けで働いている立場から見たら腹がたつのもしょうがない。
「ちょっと優遇されてるからって調子のってんじゃねーの?」
「そ、そんなわけじゃ…」
前までは陰口を言っているだけだった。こんな風に突っかかってくるのは初めてだ。たしかこの男は平隊士の中でもちょっとしたリーダー格だった気がする。まぁ私が見た感じで判断しただけど。
どう対処すればいいんだ…
「だいたい戦いもしない奴が、何で新選組にいんだよ。」
「そ、それは…」
私たちだって好きでここにいる訳じゃないし、それに言いたくても此処にいる理由なんて言えない。
そんなおどおどした千鶴の態度に腹を立てたのかそのリーダー格の男は声を荒げた。
「いっつもそうやって都合が悪くなると黙りやがって…!そーゆうとこが腹立つんだよ!」
そう言って男は手を振り上げた、
「っ!」