見てろよ神様
□だって知らない人
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『……』
私はいつもの部屋でいつものように暇をもて余していた。
『千鶴まだかな…』
異なっている点と言えば部屋に一人きりでいるということくらいだ。
なぜ一人でいるのかと言うとそれは数分前にさかのぼる。千鶴がふと屯所を探索したいと言い出したのだ。でも私がめんどくさいと嫌がると、いじけて一人部屋を出ていってしまったのだ。
だってこれ以上けがしたくないし…わたし部屋から出るごとにどっかけがしてんだよね。何この不幸体質。私のアンラッキープレイス屯所じゃね?身心ともにボロボロなんだよ!
『遅すぎるー…』
でも待てど待てども千鶴が帰ってこない。心配になった私は外に出てみることにした。べ、別に一人で寂しかったからとかそんなんじゃ…無いんだからね!
しばらくふらふらと歩いていると玄関から話声が聞こえた。そっと玄関をのぞき込むと、そこには千鶴と三人の男が居た。
「お、紫帆じゃねえか。」
『どーも原田さん。』
「けがの具合はどうだ?」
『お陰さまでもうあんまり痛くないです。その節はお世話になりました。』
一人目は今日も今日とて凄まじい色気を放っている原田さん。
「よ!紫帆!」
『あ、平助。居たの?小さくて見えなかった。』
「てっめえはまた…!」
2人目は私のちょっとしたジョークに青筋を立てる平助。
「……」
『……』
「……」
『…本日はお日がらも良く、絶好のお散歩日和で…』
「俺だけめっちゃよそよそしい!」
だって知らない人。
見てろよ神様