Asymmetry?
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「───で、ドッベルゲンガーは黒崎の双子だったのか…。」
「うん。そーゆうことだよ早坂くん。ってか頭大丈夫?」
「おぉ。」
『…なんかごめんなさい。…もー、だからちゃんと話しておいてって言ったじゃん。』
「だって早坂くん私の話し聞かないんだもん。」
あの後、私は自己紹介を終え、席に着いた。位置は窓側の後ろから2番目の席。そして私の後ろの席の早坂くんの私に対する誤解も無事に解けた。
『勘違いさせちゃってほんとごめんなさい。』
「あぁ、全然かまわねぇよ。つか、勝手に勘違いした俺が悪りーし。」
それにしても佐伯のやつ容赦ねーな、と頭を擦る早坂くん。確かにあの速さは尋常じゃないと思う。
でも良かった。この人はいい人そう。金髪だけど。人を見た目で判断しちゃいけないよね。
「ってか真白その髪型どーしたの?突然変異?」
お姉ちゃんが私の変化に気付いたようで不思議そうに聞いてきた。いや、突然変異って…
『そんなわけないでしょ…エクステだよ、エクステ。』
「エクステッ!?じゃあその眼鏡は?目悪くなった?」
『ううん。伊達だよ。』
「何でそんな色々変えてるのさ!イメチェン?」
的はずれなことばっか言うな。
『お姉ちゃんに間違われないようにだよ。また間違われると色々面倒だし。これならパッと見双子だって分からないと思ったから。』
「えぇ〜いいじゃんそんくらい。」
『私が今までどんな目にあってきたか知らないからそんなこて言えるんだよ。』
相変わらず回りを気にしないというか、マイペースというか。
そんなやりとりをしていると横から視線を感じた。
『…?どーかしました?』
「あ、あぁ。顔は同じでもやっぱり違うもんだなーと思って。」
『!』
「あ、やっぱり?近所のおばさんとかにもさ、真白ちゃんはしっかりしてるけど、真冬ちゃんはいつも元気で、全然違うからすぐにどっちか分かるわ〜とか褒められてね!」
「それ多分お前褒められてない。」
『…』
違う…か。初対面の人には初めて言われたかも。いつも2人そっくりで見分けつかないて言われてたから。
事情を知らない早坂くんが言った言葉だからそれは本心なんだと思う。
『ありがとう…ございます。』
「…真白?何お礼なんて言ってんの?」
『…ほんとだ、なに言ってんだろう私。』
「プッ変な真白ー。」
でも、そんな風に言ってくれたことが素直に嬉しかったんだ。