「…カ、カバンです。」
「(なんで敬語!?)」
青ざめた顔をしながら早坂くんがカバンをお姉ちゃんに突き出した。
無言で私を見やるお姉ちゃんに手でアウトのポーズをつくる。ごめんお姉ちゃん間に合わなかったんだ…
「早坂くん…まさかカバンの中を見たりしたとか…?」
「い、いや見てないっスよカバンの中なんて…ウサギのお面なんて無かったし…あぁ無かった!」
「(見たんだ!)あれ?でもお面が入ってない…」
「…えっ!?マジですか!?なんでだ!?どこに行ったんでしょうね…」
そして早坂くんは体をくるりと反転させると、
「とにかく俺は何も見てねぇし何も知らねーっ!!!」
「説得力全然ねぇよ!」
早坂くんの後頭部には目力全開のウサギがいた。Asymmetry?