Asymmetry?

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突然のことに驚きながらも一通りの部屋を覗いたがお姉ちゃんは居なかった。ほんとに行っちゃったのか…



『一言言ってくれれば良かったのに…』



1人ポツリと不満をもらす。

そうすれば私も一緒に帰って数少ないお友だちにでも今の心境を話して相談にのってもらうことが出来たはずだ。

お姉ちゃんのことだ「そうだ、京都に行こう。」的なノリで帰ったに違いない。絶対そうだ。

1人取り残された部屋で床にごろんと寝転んで何もない天井をじっと見つめた。

お姉ちゃんが居ないということは当然この部屋には私しかいないということであたりはシーンと静まり返っていた。

物音1つ聞こえないこの部屋には何もいないようで、自分の存在さえ確認することができない。そこにいるのか分からない。

そんな不思議な感覚に陥っていると気づかないうちに私は深い眠りに落ちていた。















ピンポーン



『……?』



インターホンの音で私は意識を取り戻した。壁に立て掛けてある時計を見やるとちょうど5時くらいを指していた。どんだけ寝てたんだ私…

そんな自分に若干呆れつつ、もしかしたらお母さんに帰れとでも言われたお姉ちゃんが戻ってきたのかもしれない。そう思って重い腰を上げドアへ歩いていった。



「よ。」

『……』



が、予想に反してそこに居たのは鷹臣さんだった。何でここにい居るんだとか、何しに来たんだとか色々疑問はあったが寝起き、加えて低血圧で格別寝起きが悪い私の頭がそれを言葉にすることは出来なかった。



「出掛けるぞ。」

『…は?』

「10分以内で支度しろ。」

『え、あの、ちょっと意味が…』

「よーいスタート。」

『えぇっ!』



鷹臣さんはまったく私の話なんか聞かずいーち、にーい、とカウントし始めた。

ちょっほんと急に何なの?私は訳がわからず出掛ける準備をしたのだった。
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