Asymmetry?

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「俺たちのアジトを教えろだぁ?」



鷹臣さんが私を囮にしてこの男を誘きだしたのはこいつから情報を吐かせるためだった。

その情報というのはここ最近、高校生相手に強請、恐喝などを行っている輩のこと。

緑ヶ丘高校の人も何人か被害にあっていて集会でも問題になっていた。

そしてその犯人を捕まえるために鷹臣さんは動き始めたらしい。

…鷹臣さんのことだからそれが善意の気持ちでのことなのか、ただ単に暴れたいだけなのかは定かではないけど。



「あぁ、てめぇのボスのいるところだよ。」



鷹臣さんは壁にもたれながら手を組み、相手を見下すような体制を取りながら言った。

うーん、教壇の前に立つ姿よりよっぽどそっちの方が似合ってるよね。なんと言うか…違和感がない。



「敵に捕まり拷問を受けようとも仲間は売らねぇ、それが俺様のポリシーだ!」



しかし、鷹臣さんの威圧的な態度に負けじと男も言い返す。



「…そーか。俺は3丁目の酒場辺りが怪しいと思ってたんだがなぁ…」

「ははっ!馬鹿じゃねーの?あそこはしたっぱどもが飲んでるだけで、ボスはいねーっての!」

「ほー、じゃあお前の言うボスってのはどこにいんだ?」

「んなの、その酒場を真っ直ぐ行ったところにあるクラブに決まってんじゃねー……はっ!?」

「なるほどな…そこ、か。」



男は自分の失言に気づいたようだったが時すでに遅し。鷹臣さんは男に向かってニヤリと笑ってみせた。



「情報ごくろうさん。」

「うっ、うわあああー!!!」



男はその場に崩れ落ち叫んだ。
恐ろしい…恐ろしすぎるよ鷹臣さん。



「行くぞ、真白。」

『あ、はい…』



しかしそんな男を気にする様子もなく、鷹臣さんはその場を後にしようとする。



「ちくしょう…ちくしょう…」

『……』



私はというとそのまま放置するのも気が引けて小走りで男のところへと向かい前にしゃがみこむ。



『…』

「あぁ?何だよ…」

『…』



何も言わず男の前にそっとあめ玉を置いた。



「…す……か………れ、」

『?』

「同情すんなら金をくれ!」




Asymmetry?



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