無双
□恋の手前から恋の自覚に置ける苦難の一ヶ月間
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二日目
またか。
汗が全身に滲んでいく様で気持ちが悪い
吐き気とともに嫌悪感。
それでも少し安心する。
きっと甘寧も安心するだろう。
人一倍、意地っ張りなあいつも実際は心配性だ。
無駄に表情に出るから面白い。
俺の父親を殺したのが誰かなんて今更。
それでもたまに自分が恐ろしくなる。
なんだろう、この気持ちは。
復讐しようと思っていたときとは違う。
父親に向けて矢を放ったのは甘寧で。
それをまじかで見ていた俺にはあまりにも衝撃的で。
今はそうでもないが、昔は酷いものだった。
甘寧はどう思ったんだろう。
それぞれ違う思いを抱えていたと思う。
その時の俺と甘寧の感情差は激しいもので。
今でこそ、和解したが、当時は酷く嫌悪したものだった。
とはいいつつも和解した後もいろいろあったっつーの。