鈴鳴の縁側

□鈴鳴の縁側
1ページ/12ページ

人にはそれぞれ守りたいものがあるらしい、という。
なんとも懐疑的な物言いだが、仕方ない。聞いた話が憶測なのだから。

でも、守りたいもの、と言われてパッと浮かぶものなんてあるんだろうか。



残念ながら俺には、守れなかった無力感しか思い出せない。
今思えば守りたかったものだったのに。

失うことに慣れてしまうのはとても悲しいことだ。だから、俺は手に入れることにした。

力を。心を。

もう二度とあんな思いはしたくない。…したくないんだ。






なんてことはない。
俺は自分の世界が壊れることが怖くて仕方なかったのだ−…






ーちりんー







それは、一週間の奇跡。








『鈴鳴の縁側』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ