鈴鳴の縁側
□鈴鳴の縁側
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人にはそれぞれ守りたいものがあるらしい、という。
なんとも懐疑的な物言いだが、仕方ない。聞いた話が憶測なのだから。
でも、守りたいもの、と言われてパッと浮かぶものなんてあるんだろうか。
残念ながら俺には、守れなかった無力感しか思い出せない。
今思えば守りたかったものだったのに。
失うことに慣れてしまうのはとても悲しいことだ。だから、俺は手に入れることにした。
力を。心を。
もう二度とあんな思いはしたくない。…したくないんだ。
なんてことはない。
俺は自分の世界が壊れることが怖くて仕方なかったのだ−…
ーちりんー
それは、一週間の奇跡。
『鈴鳴の縁側』