□■FF7

□Once more Z.side
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「え・・・記憶が・・・?」

「あぁ。・・・目が覚めたときには、な」


「・・・・・・そう・・・」




あの後、ほとんど引きずられるようにして”セブンスヘブン”というバーまで連れて来られた。
まぁ、こちらとしても初めて自分のことを知っている人に会えて、聞きたいことがあったからよかったのだが。


もちろんお酒もあるけどとりあえず今はこれでね、とお茶を出されて、そうして落ち着いてみれば、まだ彼女の名前を聞いていなかったことを思い出して。

そういえば君の名前は?なんていうんだ?
なんて聞くと、


”そっか、覚えてるわけないわよね・・・”


少し寂しそうに笑った彼女の様子に、悪いことでもしてる気分になって慌てて謝った。
でもすぐに表情を変えた彼女は強気な笑顔でティファだと名乗った。


――そして俺は、記憶を失くしていることを話した。


目が覚めたときには自分のこと、今までの記憶全てがなくなっていたこと。
ただ一つ、ミッドガルへ行くということを除いて。


今こうして呼ばれている名前ですら、ドッグタグに付いていたから分かっただけで自分で思い出したものではないのだと。
世話になった爺さんたちに教えてもらって、それからミッドガルについてから集めた情報でここ数年あった出来事の大まかなところは把握している、と。


その中で出てきたセフィロス、ソルジャー。
それらの言葉に、なにか引っかかるものを感じたことも。

当たり障りのない程度で。




「・・・それじゃぁ・・・そのこと以外、本当に、なにも覚えてないのね」


一通り話し終えて、一息ついて。
ティファから返って来たのは、切なさを帯びた声だった。


「・・・あぁ。だから、今探してるんだ」

「何か、見つかった・・・?」


伺うような、ティファの瞳。
ほんの少し、希望を宿して。

でも。


「いや、まだ全然なんだ。ここに来て見れば少しは思い出すかと思ったんだけど、な」


「・・・そう・・・」

また、悲しそうに沈んでしまう。


「だから、なんでもいいんだ。些細なことでもいい、俺に関するものでなにか知ってること、ないか?」


「・・・・・・・・・」


「・・・ティファ?」


「――・・・あるわ」



たくさんある。・・・本当に。
伝えたいことも、聞きたいことも。



・・・すべては彼のために。





「ホントか!?」


「えぇ、ちょっと待ってて」



席を立って、部屋から出て行く。
なにかを取りに行ったのだろう。

そして少しの後、戻ってきたティファが持ってきたのは一枚の写真だった。


「まずは、これね」

言って、今持ってきた写真をザックスに見せる。


「・・・オレ・・、とティファか?」


「そう、ちょっと幼いでしょ。もう7年前になるわ。


「・・・もう一人は・・・?」


「セフィロスよ」


「・・・セフィロス・・・」

爺さんからも聞いた、やはりどこか引っかかるその名前。


そして、なんとなく、

―――見覚えがあるような・・・。


背中を覆うほどの長い銀髪。
魔晄を浴びた瞳、と爺さんにいわれた俺の目よりも、幾分か緑の強い瞳。
その眼は、少し冷酷そうな雰囲気が漂って・・・


「・・・・・・・・・」


神羅のソルジャーで、その中でも一人、英雄と呼ばれるほどの強さを誇った男。
彼に憧れて神羅に入隊するものが後を絶たなかったと。

その、セフィロスが。




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