□■FF7

□気持ち
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翌日、図ったようにその日から2日間の2人揃ってのオフ。
せっかく休みだというのに夕べから寝付けず、いつの間にか窓から射し込んできた朝日が眩しく、目に痛い。

特にコレといって用事があるわけではないが、このままだらだらと過ごすのもなんだか勿体無くていつもならザックスが起こしに来るまで寝ているクラウドにしては珍しく、早々にベッドから抜け出した。
それもすべてはどうせベッドにいても寝られないから、という理由に繋がるのだが。

枕元の目覚ましに目をやると、時間は7時少し過ぎ。
普段は6時30分に起きるのだ。

「………」

これじゃいつもと大して変わらない。

なんとなくため息をついて、それから伸びをした。
固まっていた身体が気持ちよく解れる気がする。


「……どうしようかな…」


2人揃って休みはいいが、どうにも顔を合わせづらい。
一緒に住んでいるのだから、顔を合わせないわけにもいかないし。

とりあえず答えは出したものの、その後も一晩中いろいろと考えていた頭をすっきりさせようと、顔を洗うため洗面所へ向かった。

部屋のドアを開けて廊下に出る。


冬だから水は冷たいがそのままの温度で顔を洗った。
少し冷たすぎる気もするけど、今はそれでちょうどいい。

思いっきり洗ったせいで、水に濡れてしまった髪から雫が垂れないように首からタオルをかけて。
水でも飲もうとキッチンへ向かうために、再び廊下へ出―…ようとしたのだが、ドアを開けてすぐ目の前にいたザックスの姿を認め、そしてそのまま固まった。

ザックスも、クラウドと同じことを考えて洗面所へ来たようだが、実にタイミングが悪い。
複雑な心境の時にはち合わせて、二人の間になんともいえない空気が流れた。

瞬間交わった視線は、クラウドからふ、と気まずそうに下へと逸らされて。
それが、ザックスの不安を小さく煽った。


「………」

「………」


こんな空気、今までになかったことだ。


「お、はよ」

「…ぁ、おぅ」


俯いたままのクラウドからなんとか、といったように声が掛けられる。
ただ、それだけの事に安堵した。


「あ、使う…んだよね?」

「あぁ。」

「じゃ」


簡単な会話ともいえないような会話をして、横をすり抜けてキッチンの方へと向かうクラウドに内心ほっとする。
ちょっと、やばかった。
濡れた髪から滴った水が首を伝っていて。


「………」


首筋にばっかり行く視線に気付かれなかっただろうか。

入れ替わりで入った洗面台で思いっきり顔を洗う。

そしてそういえば、と思い出す。
少し、クラウドの目が赤かったような気がした。

まさか…泣いたのか!?

実際はただ眠れなかっただけなのだが、そんなことを考えて動揺したザックスは、濡れたままの手を両頬に当てて、無意識にそのまま下にずるーと引き伸ばす。

そして、目の前の鏡に映る自分の伸びきった顔に気付き、は…っ、と元に戻した。




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