□■FF7
□気持ち
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だからそこから先は
「あのさ、クラウド」
こっちから切り出した。
昨日の今日で早くは無いだろうかとも思いながら。
「……なに?」
ザックスの呼びかけ一つで、クラウドを取り巻く雰囲気が緊張したものへと変わる。
それが空気を解してザックスにも伝わってくる。
「昨日の返事、聞いてもいいか?」
「………う、うん」
「………」
クラウドを真っ直ぐに見つめ、その先の言葉を待つ。
これがいい返事だったらなら嬉しいばかりだが。
「…あの、…えと……」
困ったように言葉を濁してちら、とザックスを見るがザックスのクラウドを見つめるその視線とまともにぶつかり、驚いたように視線を逸らした。
「…あの…」
きっかけを作ってくれたのに、今度はどういったらいいのかそれに困ってしまった。
顔を僅かに紅潮させて俯くクラウドに、ヤバイなどと思いながらも、クラウドが答えやすいように言葉を変えた。
「クラウド、オレのこと好きか?」
「…うん」
思ったよりもあっさりと返事が返ってくる。
そうなのね、嫌われてはいないのね。
…て、なんか、でも。
まさか好きの意味を履き違えていないか?
「意味、わかってる?」
「…多分」
「え、多分?」
「…なにが、どう好きとか…よく分からなくて…」
「……んー…」
少し考えて。
「じゃ、
不意打ちのようにキスをする。
――これは?」
言って覗き込むとクラウドの顔が一気に赤くなった。
「……っ…」
「嫌?気持ち悪いか?こういうことされるの」
またしてもどう返事を返していいのかわからないらしいクラウドに、たずねる。
少し切なそうな、苦笑気味のザックスに戸惑いを覚えて。
「嫌じゃ…ない…」
そう、嫌じゃない。気持ち悪くも無い。
夕べ考えていたとき、もし同じことを友人にやられたらと想像して、想像しようとしてとても無理だったのに。考えられなかったのに。
ザックスにそうされるのは平気だった。
それは今も。
だからそう答えた。
そして答えた瞬間。
クラウドはザックスに抱きしめられていて。
「…よかった…」
ザックスの囁くような安堵の声を聞いた。
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