□■FF7

□One day
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日曜日。遠征も訓練もない、休日の朝。
外では小鳥のさえずりが聞こえ、東の窓からは朝のまぶしい光が差し込んでくる。
空は雲ひとつなく青く澄みわたった快晴。

そんなさわやかさに反して、その部屋には不穏な空気が流れようとしていた。



One day



午前8時頃、ザックスが目を覚ますと、珍しくクラウドの方が先に起きていた。
普段の寝起きの悪さを知っているだけに、ザックスは一瞬自分の目を疑った。

「クラウドおはよっ。今日はクラウドの方が早かったなー珍しいじゃん」

「……おはよう」

クラウドは、少し驚いたように笑ったザックスに冷ややかな視線をくれてから、
顔を背け、はき捨てるように言った。
低血圧で朝機嫌が悪いのはいつものことだったが、それは起きてから十分くらいのことだ。
きっとまだ起きたばかりなのだろうと思うことにした。


しかし、それにしても『おはよう』の前のあの軽蔑したような眼はなんだったのだろうか……ι
何か引っかかるものがあったが、もとからの楽天的な考えで、
あれも寝起きで機嫌が悪いせいだということでおさめた。

幸か不幸かわからない性格である。


「なぁ、今日どこ行きてぇ?天気いいから外でもいいよな」

「行かない」
即答。

「は?なんでだよ、行くだろ?それかなんかあったか?」

「…別に。行けば?ザックスの大好きな女の子と」

言うと同時に、ザックスから視線をそらす。


「え…?」

「………」


当てつけるような言い方に、クラウドが怒っていることにようやく気づいた。
そして、その怒りの矛先が自分に向かっていることにも。


「クラウド〜なに怒ってんだ?」

「別にっ」

「オレ、なんかしたか?」
 
「………」

「おーいクラウド〜?」

「………」

これ以上神経を逆撫でしないように、極めて明るく努めたのが逆効果だった。
初めからザックスのしたことが原因で怒っていたのに、
更に子供扱いされたように感じて腹が立ったのだ。


「なぁ、なんか言えって」

「うるさいっ」

ザックスは三日前に、明後日の午後、つまり昨日だ。
久しぶりに二人ともあいていたので一緒にごはんを食べようと言った。

普段、クラウドの所属する班に教官として訓練の指導をした後、
ザックスはソルジャーとしての仕事を片付ける。
仕事が終わる頃には八時や九時、遅ければ十一時過ぎても帰れないことがほとんどだったので、
夕食は別々にとることにしていた。


「言わなきゃ分かんねぇだろ?」
 
「分かんないの?自分から言い出したくせに」



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