駄文2〜グラビonly〜

□It Is On My Side 2
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朝になれば、2人一緒にベッドの上。
身体がだるい。
でも、奇麗に後処理をしてあるのは…由貴がしてくれたんだろうな。

「仕事行かなきゃ」

身体に鞭打って起き上がり、仕事の支度をする。
脱ぎっぱなしの由貴の上着を拾い、畳んで机に乗せる。
次に、ズボン。
二つ折にして椅子に掛けた。

カランっ…

ポケットから落ちた、シルバーの小物。

「指輪…」

ため息一つ。
そうか…そうなのか。
指輪してないって思ってたけど、普段はしてるんだね。
オレに会う時だけ外してたんだ。

「本当に酷い人…」

オレは指輪を由貴のズボンのポケットに直した。









仕事に行くのは、憂鬱。

「おはよう!新堂さん」

一発目から、この人に会うなんて。

「古賀さん。おはようございます」

「成美で良いって言ってるじゃない!」

「古賀さんが、『新堂さん』って呼ぶのをやめたら、オレもやめます」

「分かったわ!」

古賀さんはニコニコと笑った。
オレは、笑って見せる。
こんな時、オレの中には、少しの優越感と多大な罪悪感が生まれる。

「愁一くんさぁ…」

「はい?」

「ううん!何でもないっ」

…何だろう…?
今の顔。
ちょっといつもと違う表情だった。

「………」

「さっ、今日も撮影頑張りましょうね!」

「はい」

オレは気にせずに、成美さんとメイクをしに行った。







−1週間後−

「新堂さん!古賀さん!ちょ〜と、良いですか?」

撮影の休憩中に監督が声をかけて来た。
オレは成美さんと一緒に振り返ると、監督の話しに耳を傾ける。

「ラブシーンなんですけど、お二人とも大丈夫ですか?」

「何を今更!ね?」

成美さんは笑って言った。

「いや〜古賀さんはともかく、新堂さんはこんなシーンは初めてでしょ?」

「まぁ…ハイ」

確かに人とsexしている所なんて、見られたことは勿論だが、演技でだって初めてだ。

「大丈夫です。大先輩の成美さんにリードしてもらいますから」

ニコニコとオレは言った。
成美さんも『任せて』と笑う。

「そうですか。えっと…計画では、明後日はお休みで、明々後日からラブシーンに入りたいんです」

「構わないわよ」

成美さんが言うと、監督が続くように言った。

「明日にリハーサルをしましょうね」

「え?リハーサルって」

「新堂さんは初めてですから、明日のリハーサルで慣らしてから、一日休みを置いて、それから撮影と言う形で…」

「いいわよ」

成美さんは笑顔で承諾した。
そうなれば頷くしかない。

「じゃぁ、明日はリハーサルなんで、新堂さんは気楽にお願いします」

「はい」

こうして、ラブシーンのリハーサルを明日に控えて、今日は終わった。



 
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