駄文2〜グラビonly〜

□It Is On My Side 2
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瑛里Side

『明後日休みなんだけど』

そうアイツからメールが入ったのは、ついさっき。
勿論、『なら、明日行く』と告げた。
アイツは、なぜ俺に来てほしくないのか…?
やっぱり、同じ職場にいるとキツイのか?
会いたいけど、会いたくない…か。

「全ては、俺自身のせいじゃねぇか…」

ガチャ…

「ただいま〜」

「…おかえり」

「今日はいたの?」

「ああ」

今、少し刺がある言い方だったか?

「明日と明後日は…いない」

付け足すように言うと、成美の動きが止まる。

「………愁一くんの所かしら?」

「………」

「仕事が大変なのね」

俺が答えないのを肯定と受け取ってから、にこやかに成美は言った。

「明日はリハーサルなのよ」

「リハーサル?」

「ベッドシーンのよ…。あの子大丈夫かしら?」

「何が?」

「愁一くんって、経験なさそうだから」

成美はクスクス笑った。
俺は興味の無い顔をして、キッチンに行き、ビールを2つ取る。
そして、さりげなく、成美に1つ渡す。

「あら、優しいわね。ありがとう」

「いつもだろ?」

「……クスクス。明日は私の方が緊張するわ」

俺は成美を見た。

「だって、sexなんて……ここ3年くらいご無沙汰だもの…」

試されるように言われた。
言葉の矛先は俺に…確実に向けられていた。

「……ごめんなさい。今の気にしないで。私、少し疲れてるわ。先に休ませてね」

そう言うと、飲みかけのビールを俺に渡し、リビングを出て行った。



 
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