駄文2〜グラビonly〜
□リング−嫉妬=独占欲
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「お客様、何かお探しですか?」
2人のただならぬ雰囲気に、見兼ねた店員が声を掛けてきた。
瑛里好みの美人な店員だったが、今の瑛里にはそんな事など考えている余裕さえなかった。
「あの、えっと…」
こんな高級なジュエリー店など初めてな愁一は、どうしたら良いのかも分からずオロオロした。
「ちょっと、由貴!どうしたら良いんだよ!?」
「プレゼントですか?」
「え!?あ、いや…」
どうやら店員は2人に気付いてはいなかった。
愁一はキャップを被り、変装ようの眼鏡をかけ、瑛里はいつものようにサングラスをしている。
バレそうで意外にバレない格好。
「どちら様かの彼女さんにですか?」
店員はニコニコと、愁一を覗き込む。
「あっ…」
店員は愁一の顔を確認すると、びっくりしたように横にいた瑛里の顔も確認した。
「あの、あんまり騒がないでくださいね?」
愁一は小声で店員に告げると、店員は『すいません』と言い、平常心を取り戻したようだった。