駄文2〜グラビonly〜
□小さな幸せ2
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オレ達に家族が増えてから、もう半年が経った。
「由貴!一里(イチリ)が泣いてるよ!!」
「分かってる」
由貴はソファーから立ち上がると、ソファーと並べて置いてあるベビーベッドを覗き込んだ。
「どうした?里一。腹減ったか?」
由貴はゆっくり愛娘を抱き上げると、リビングを歩き回る。
「愁一、まだか?姫は腹が減りすぎてご立腹だぞ」
キッチンでミルクを作っているオレに、由貴は笑って言った。
ミルクの濃いさも良し、熱さも良し。
「出来たよ」
オレはミルクを手渡す。
由貴は温度を確かめるように瓶を触った。
「一里…」
一里の口にミルクの先をくっつけると、ゴキュゴキュと飲み出した。
「コイツすげぇ、腹減ってたんだな」
「うん、昼間にあんまり飲まなかったからね」
由貴は瓶を支えてやりながら一里の頭を撫でた。
「かわいいね。何か髪の毛の色とか色素が薄い所、由貴に似てるんじゃない?」
「…そうか」
つっけんどんに答えたが、由貴は嬉しそうだった。
「オレに似てるとこあるのかなぁ?」
「よく泣く所じゃないか?」
「何だよ、それ!?何か、もっと顔が似てるとかさ、ないの?」
「……ないな。一里はオレ似だ。諦めろ」