駄文2〜グラビonly〜

□作成中
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『歌手の新堂愁一さんと、女優の坂口真奈美さんが、なんと!!深夜のホテル街を歩いているところを写真に納められました!新堂さんと言えば、作家の由貴瑛里さんとの交際が……』

テレビなんか、ましてやワイドショーなど、あまり見ないオレ。
タイミングの悪さには笑えてくる。
別に…信じちゃいない。
こんなワイドショーネタは、恋人のいる世界では多い話だ。

「……なにしてんだ、あのバカ」

コーヒーを口に運んでみても、味が分からない。
焦っているのか?

プルプル…プルプル…

突然鳴った電話に一瞬だけビクついた。

ガチャ

「はい」

『由貴!?オレだけど、あの…テレビ…見た…?』

テレビってこのワイドショーが取り上げているモノのことだろうか?

「テレビ…がどうした?」

『あ、見てないなら、良いんだけど』

そう愁一は電話の向こうで空笑いした。

「おい、浮気者。今日は晩飯はどうするんだ?」

何気ない会話に『浮気者』と言う単語を使えば、愁一が息を飲む音が鮮明に聞こえた。

『やっぱ、見たんだ?えっと、あれは違うから!誤解しな…』

「分かってる」

『え…?』

「分かってるから…。仕事中だろ?仕事に集中しろ」

分かってる。
ちゃんと理解してる。
コイツはオレだけだから…。

「……」

『ぁ、ああ…由貴!今日は帰れないから。仕事が…あって』

「そうか、分かった。じゃぁな、浮気者」

『浮気者じゃないってば!オレは…』

ガチャ

愁一の言葉を最後まで聞くことをしないで、電話を切った。



 
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