駄文〜グラビ・テニプリ〜
□「好き」
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最悪。
何が最悪かって?
それはコノ、今現在の俺の目の前の状況がに決まってる。
「何してんの…?由貴」
俺の恋人はリビングの大きなソファーに偉そう座っていた。
別に偉そうに座っているのはいつもの事。
だか…その傍らに座ってらっしゃる女は誰ですか?
「げっ新堂愁一じゃない!?わっ…私帰るわっ」
逃げるようにして女は部屋を出ていこうとする。
由貴はその女を止めない。
相変わらず無表情のままで煙草をふかしていた。
結局、引き止められる事もされない女は…由貴にとってはソレダケの存在なんだ。
「……今日は泊まりの仕事なんじゃなかったのか?」
俺とは、視線を合わさずに由貴が言う。
「帰って来たらマズかったのかよ?」
「…マズかったのはお前の方じゃないのか?」
は…?
俺が馬鹿だから由貴の言葉を理解できないのか?
「何で俺がマズいんだよ?浮気現場をみられたのはアンタだろ!?」
絶対に俺の方が正論だ。
「…あっそ」
あっそ?
あっそって何なんだ!?
俺は怒ってんだぞっ!?
「はぁ…飯は、食ったのか?」
おもむろに立ち上がってキッチンへと歩いて行く。
まるで今の今までの事は全て夢だったかのような態度だ。