駄文〜グラビ・テニプリ〜

□キスマーク
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『只今、留守にしております。メッセージをどうぞ…ピー…
もしもし!?瑛里さん!?瀬口ですけど!いらっしゃるんでしょう!?』
部屋中に留守番のメッセージがリアルタイムで響き渡る。
『瑛里さんっ!!今度という今度は瑛里さんに責任を取ってもらいますからねっ!?』
更に留守番電話に設定されている電話から怒鳴り声が放たれる。
ここの住人は決して留守にしているわけではない。
「……」
『瑛里さんっ瑛里さぁん!?瑛里さん瑛里さん瑛里さん瑛里さん!!』
ーガチャッー
受話器の上がる音がした。
電話の相手の瀬口が、やっと出てくれたとホッとした。
「うるせぇ!何だよ!?名前なんて一回呼べば十分だろうが!?」
『一回で貴方が出てくだされば、何回も呼んだりしませんっ』
受話器を片手に取った瑛里は、もう片手で器用にタバコを吸った。
「…で、何だよ?俺は忙しいんだよ」
『ハハハっ!瑛里さん、忙しいのは貴方だけじゃないんですよ!それに貴方、仕事は昨日で終わってるはずでしょう!?』
電話の向こうで瀬口が吠える。
瀬口の言っているように、瑛里の仕事は昨日で終わっていた。
『貴方って人は…。昨日仕事が片付いて、溜まっていた欲求を新堂さんに全てぶつけたのでしょう!?』
瑛里はタバコを一口吸って昨日の夜、ベッドで乱れていた愁一を思いだした。
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