駄文〜グラビ・テニプリ〜

□伝えない想い
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僕は好きな人がいる。
誰よりもバカで…
誰よりもウルサくて…
誰よりも一途で…

そんな彼が好きなんだ。
例え、彼が別な誰かのものであろうとも。


ー 伝えない想い ー


「また喧嘩でもされたんですか?」
「みたいだな」
「全く、瑛里さんも毎回毎回…面倒な事をしてくれるものですね」
僕は呆れ口調で、横にいたギターリストの中野さんに言った。
中野さんは苦笑いをして僕の言葉を流す。
「あれじゃ、今日は仕事になりませんよ!」
今日もBADRUCKのボーカルは恋人との不具合で落ち込んでいる。
こんな時は親友の中野さんがいつもは何とかしてくれるのだが。
「藤崎…俺さぁ。今日は早く帰りたいんだよなぁ」
「だから何です?」
「だから…帰っていいか?」
僕は冷静な態度で、落ち込んでいる新堂さんを見た。
「アレはどうされるんです?」
「……頼む藤崎!!綾香ちゃんが来てるんだ!」
いつもいつも、新堂さんの後始末をするのは確かに中野さんだ。
今日だけなら代わっても良いかもしれないな。
「はぁ…仕方ないですね、良いですよ。帰られても…。今日は新堂さんは僕が引き受けますから」
「ふっ藤崎〜!!お前良いヤツになったな!」
そう中野さんが言って、僕は背中をバンバン叩かれながら今日の仕事はスタートした。
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