駄文〜グラビ・テニプリ〜
□君の肌
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朝からワイドショーは騒がしかった。
『由貴先生っ!今回の新作は恋人の新堂さんとの実話が元というのは本当ですか!?』
マイクを握った女レポーターが超美形の男に迫りよる。
そして、その超美形な男はにこやかに言い切ったのだ。
『ええ。まぁ…そうゆう事になりますね。ヒロインを新堂君。主役が僕と考えていただければ』
このワイドショーを見たお茶の間の視聴者は、きっと猛ダッシュで書店へと向かっただろう。
ー『君の肌』ー
「これ、読まれましたか?」
仕事先で藤崎順は、中野浩司に尋ねた。
順の手にあるのは、最近やたらと世間を騒がせている代物だ。
「『君の肌』…著作『由貴瑛里』って事くらいなら知ってるぜ?」
浩司はギターを片手に質問に答える。
「そんな事、今じゃ誰でも知ってますよ!僕が言いたいのは内容ですっ!」
「まぁまぁ。書いて出しちゃったモンは仕方ないっしょ」
順は溜め息を吐く。
「中野さん。僕は…僕は…。僕はバッドラックのプロデューサーを任されているんです!!」
「…だから?」
「だから、出来るだけ大きな騒ぎは避けていたかったんですっ!なのに…なのにぃ〜!!」
ポロポロと泣き出す順をよそに、ポケェ〜と幸せバカ面なリーダー。
浩司はギターをソッと置いた。
「なぁ愁一。お前、由貴さんの本は読んだんだろう?」
愁一は幸せバカな顔をゆっくりと浩司に向けた。
「何が書いてあったんだ?」