駄文〜グラビ・テニプリ〜

□無自覚に君を愛す
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Wデートなんか、真っ平ごめんだ。
なーんて思っていたのに、付いて来てしまった俺。
全く、このクソガキのせいで俺様の調子は狂いっぱなしだ。

「由貴〜?まだ怒ってんのか?いいじゃんWデートくらい」

「………」

Wデート…。
愁一の親友、中野浩司とその恋人で、元許嫁の宇佐美綾香。

「瑛里さん、やっぱり嫌でした?私…無理にお誘いしましたものね…」

綾香さんが、今にも泣きそうに言った。

「いや、全く大丈夫ですよ?甘いケーキは大好きなんで」

愁一には見せない笑顔を見せる。
一瞬、愁一がむくれたのを見た。
それだけで憂鬱だった気分がなくなった。
その代わり、浩司君の方が憂鬱そうだ。

「そうだよ綾香ちゃん!由貴はケーキとか大好きだから、実は楽しみだったりするんだぜっ」

励ますように愁一がフォローを入れる。
余計なお世話だっての。
Wデートと言っても、お茶に誘われただけの事。
最近、行き着けていた店を避けるようになってからケーキをあまり口にしていなかった。

「なら安心ですわ。とってもお洒落なお店で、美味しいですのよ!ねっ?中野さん」

「えっ?あっ…うん、そうだね」

罰が悪そうな顔で答えた。



 
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