駄文〜ファインダー〜
□嫌な男
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「そーいえば、アサミちゃんとはどうなった?」
友達の突然の問いに、飲んでいたアルコールを吹き出しそうになった。
「あ、あ、麻見!?」
「そうそう、ほら去年の正月か何かの時の!電話したら男がでたろー?あのアサミちゃんだよ」
俺はヘラヘラ笑う友達の頭を、ペシッとはたいた。
「痛っ!なんだよ⁉」
「ばかやろー!デカイ声で『麻見』の名前を出すなよ!」
そうだ。
どこにアイツの手下や敵がいるか分からん。
またどっかに拉致られでもしたら、やってらんねーよ!
「よっぽど酷いフラれ方したんだなぁ、秋人」
友達は涙ぐみながら、俺の手を握った。
「かわいそうに…!俺の同志よ!今年のクリスマスは共に過ごそう!!」
ああ…コイツ、最近こっ酷く彼女にフラれたんだった。
友達は握った手に更に力を入れて、ギュッとした。
まぁ、今年のクリスマスもどうせ暇なんで、コイツに付き合ってやるか。
「ったく!仕方ねーな。俺は別にフラれたりなんてしてねーけど、付き合ってや…」
「生憎だが、ソイツのクリスマスは予定がビッシリ入っている」
快くクリスマスの誘いに応じてやろうと思っていた所に、よーく聞き覚えのある声が降って来た。
「…あさ…み」
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