駄文2〜グラビonly〜

□限界を越えないで!
2ページ/5ページ

最低だ。
もうムリ。
絶対に別れる。

「愁一?どうしたんだよ?怖い顔して」

「そうですよ。仕事場では私情を出さないでください」

ヒロも藤崎も冷たい。
もう、3日もたったのに…由貴からは謝罪の1つもない。
何なんだよ。
オレばっかりさ…オレばっかり、好きみたいじゃん。

「由貴さんと喧嘩したのか?」

「……」

「許してやれよ」

「!?…何でオレが許さなきゃなんねぇんだよ!」

ヒロは知らないから、そんな事が言えるんだ。
何か泣きそう…。

コンコンっ…

「はい」

ドアを誰かがノックすれば、坂野さんが返事をした。
オレは泣き顔なんか見られたくなくて、力いっぱい目を擦った。

「ぁ、由貴さん!」

坂野さんがドアの向こうの人物にそう言った。

「愁一いますか?」

「あ、はい。新堂くん」

坂野さんに呼ばれて、顔を上げてみれば、部屋の中に由貴は立っていた。
いかにも不機嫌そうな表情。

「愁一、話がある」

「………ここで良いだろ?」

由貴は渋った顔をした。
オレは、机に納めてあった椅子を乱暴に引くと、それに座る。

「……帰って来い」

「は?何言ってんの?」

オレは冷たく由貴を見た。
もう、オレは今日は譲らない。

「愁一…」

「気安く名前を呼ぶなよ。オレ達はもう関係ないんだからさ…」

由貴の表情が少しだけ歪んだ。

「今更なんなの?もう別れたんだよ、オレ達」

「…お、俺は承諾した覚えはない」

食い下がる由貴にイライラした。

「……そう。じゃぁ、わかった。言い直すよ…。由貴、オレと別れて。オレはもうムリ。サヨナラ」



 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ